教育宣言
今、建築の現場で目立つのは、組み立て作業です。材料は工場でつくられたもの。分業や効率化も進み、全体が見えにくくなっています。建築の本質や知識、技術・技能を、建築の現場だけで習得することが難しい現実があります。東京建築カレッジは、こうした状況を踏まえ、働きながら学ぶために設立されました。
学びの中心は、高度な木造建築技術。豊富な森林資源が育んだ日本の建築文化を生かし、発展させることも使命です。この課題を、建設事業主の皆さんと共有し、次の時代を担う建築の専門家を育てます。(2016年4月、教務運営委員会で策定)
学習目標
たくさんの人が協力しあって一つのものをつくりあげるのが建築。そのまとめ役、棟梁(とうりょう)の資質に欠かせない要点は次の5つです。
1.挨拶が出来るようになること。
「おはようございます」から始まり、人と人との関係を十分機能させられる人としての素養を身につけること。2.道具を作れるようになること。
大工道具の持つ生命を理解し、使用することで新しい生命を造り出せる”手”を作ること。図面を描くことで、線に意味を持たせられるようになること。3.道具を使えるようになること。
道具の正しい使用法を学び、より美しい“手”を作ることが可能になること。各種の図面を使い、より立体的な考え方が、より早く正確に形として表現できるようになること。4.掃除が出来るようになること。
清掃することで整理・整頓が出来、次の取り扱いを考えられるようになること。情報の整理が出来、必要情報について、いち早く、常に使用が出来るようになること。5.自分の考えを相手に正確に伝えることが出来るようになること。
二年間の学習を通して自己の能力を確信し、相手の立場、考え方を理解、尊重し、自分の表現したいことを第三者に対して発表する力を持つこと。